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2005/10/08
INC session-3 レポート
統合医療はスピリチュアリティを大切にした医療。
宗定 水奈子(看護師・INC)
開催日:2005年5月21日
ゲスト:川嶋朗医師
初夏の陽ざしが目に眩しい5月21日、INC(インク:Integrative Nursing Community/統合的看護を考える集まり)セッション3を開催しました。今回お招きしたのは、東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニックで近代西洋医学と補完代替医療を統合した医療に打ち込まれている同大学助教授の川嶋朗先生と、同クリニックで「シン・インテグレーション」というボディワークを通して統合医療看護を実践されている看護師の村川久恵さんです。セッションでは、お二人から「看護におけるCAMの意味と可能性」をテーマにお話を伺い、実際に、村川さんにデモンストレーションを行っていただきました。
村川ナースいわく、川嶋先生は「仕事にでは非常に厳しく、妥協を許さない人」とのことですが、かつて子役として活躍されたという経歴の持ち主。セッションでも幼少のみぎりを彷彿とさせる、パフォーマンス性抜群のトークで参加者の心をグッとつかんで離さず、時間があっという間に過ぎてゆきました。
いま、なぜ、統合医療なのか?——川嶋先生はまず、この問いを参加者に投げかけます。
「現代医療は目に見える原因を見つけて叩くことを目的としているが、○○症候群のように原因がよくわからないものは、一応の診断基準はあっても患者さんを納得させるための手段に過ぎず、複雑な原因を明らかにすることはできないのです」。では、何が欠けているのだろう。「私たち人間は、みんな同じ構造をしており、みんな同じ細胞の集団ですが、同じ人物ではない。なぜなら、そこには、スピリチュアリティが存在しているからです」。
統合医療とは、「スピリチュアリティを大切にした医療」のことであり、単に現代医療と統合医療を交えた医療の呼び名ではない、と川嶋先生は説きます。重要なのは、"現代医療と伝統医療を交えた"という形式ではなく、"人を人としてみる精神を持っている"ということ。つまり、「そのような精神があれば、現代医療であってもOK。なければ、いくら統合医療だといってもそれは粗悪な医療」なのです。
残念ながら、本来安全性の高いはずの統合医療が、心ない医療者の手によって実践され、安全とはいえなくなってしまうケースも見られます。この現状を打破するために、いま求められているのは、正しい統合医療を実践できる人材を育てること、そして、ひとつの治療法に携わる同業者だけが固まってしまうのではなく、さまざまな治療法の従事者や、そこに関わる人々が知識や技術を共有する柔軟性を持ち、良いものは気軽に使えるようにすること。
そうすることで、「多角的な視点から技術や知識の正しい評価をすることができ、レベルアップにつながる」と川嶋先生は話されます。例えば、看護職がボティワークの技術を身につけ、実践することはとても有効であり、身体の声を指先から聞きとることで、看護の幅もぐんと広がっていきます。「ナイチンゲールの看護理論は、CAMの理念そのものなのだから、看護師は遠慮せず積極的に取り組んでほしい」と最後は熱いエールで締めくくられました。
そのお手本として登場した村川ナースは、シン・インテグレーション(指や手やひじを使い、筋膜や腱、靱帯などの結合組織に圧力とエネルギーを加えてゆっくりとのばすことで、緊張を解放し、からだ本来の機能性や柔軟性を取り戻すボディワーク)を通して、患者さんの身体が発する声なき声を聞き、不調の原因を見つけ出して、医師が適切な治療法を判断するための情報を提供する、という重要な役目を担っています。その技術の高さは川嶋先生のお墨付き。「信頼感がズシリと重い」と苦笑しながらも、「やりがいがあり、充実しています」と話され、どんどん投げられる質問にもデモンストレーションの手を休めることなく、惜しみなく答えてくださいました。
その村川さんからの「誰かの苦痛に看護師の前にひとりの人として手をさしのべること」を忘れず、「医師に『あなたがいないと治療が成り立たない』と言わせるくらいの人になってください」との2度目の熱いエールに、参加者一同身を引き締めた次第です。それにしても、患者さん役を務めてくださった男性参加者の気持ちよさそうだったこと……。
夫婦漫才のようなおふたりのやりとりからは、厚い信頼関係が感じられ、実に羨ましい限りでした。私たちも、少しでも近づけるように努力していきましょう。INCへのご要望はいつでも、大歓迎です。
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