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2006/03/04

INC session-5 レポート
統合医療ナースはCAMの意義、価値観を正しく認識すること。

宗定 水奈子(看護師・INC)

開催日:2005年9月17日
ゲスト:降矢英成さん(赤坂溜池クリニック院長)

 INC(インク:Integrative Nursing Community/統合的看護を考える集まり)セッション5のゲストは、赤坂溜池クリニック院長を勤められる降矢英成先生。降矢先生は日本ホリスティック医学協会発足の中心メンバーの一人であり、その歩みはホリスティック医療を目指す人々の指針ともなっています。

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赤坂溜池クリニック・降矢英成さん

「知識だけではなく、それを実践すること、そして実践しつづけていくこと。行動が伴わなければ何も始まらない」
クールな口調で語る先生の熱い情熱が会場を包み、参加者も各自の思いを積極的に話すことができた有意義な2時間でした。

 降矢先生がホリスティック医療に開眼したきっかけは、頭部に鍼を打つことで麻酔効果を促し、手術を行う中国医学の鍼麻酔の映像を医学生時代に見たことでした。「雷に打たれたようなショック」を受け、そこから心身医学を土台とした医療を実践していきたい、という熱い思いを抱くようになったといいます。また、祖父2人のがん治療を通して現代医療の限界を知ったことも影響し、人間が持つ自然治癒力を大切にした医療の必要性を実感。

 ちょうどその頃、図書室で同系統の本を借りていた同級生の山本忍医師(現・神之木クリニック院長)と出会い、アンドルー・ワイル博士が著した『人はなぜ治るのか』を教科書として、「ホリスティック医学研究会」の創立に至ったのが、はじめの一歩となりました。

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参加者は輪になって意見交換

 やりたい気持ちが風船のようにふくらむのに反比例し、学生から研修医へと日々の生活はどんどん忙しくなります。しかし、多忙を言い訳にしないのが、先生のすごいところ。毎月1、2回は必ず代替医療にふれる機会を持つという努力をしつづけたと話されます。その源となったのは、西洋医学の基礎をしっかり身につけ、それを基盤として「10年後には心身医学を学んでいるのではなく、実践している医師に成長したい!」という向上心。そして、基礎習得後は川越市にあるホリスティック医療の草分け、帯津三敬病院に勤務、帯津良一先生のもとで本格的に実践を行いました。

 その実践を通して、「ホリスティック医療は特別ではなく普通の医療」であり、「普通の人を受け入れる医療としてもっと気軽に、ショッピング感覚で外出できる場所にクリニックをつくりたい」という気持ちが、平成9年に赤坂溜池クリニックの設立につながりました。常に先を見て医療全体を考え、計画を立てて具体化させ、実現のために自分を向上させていく。淡々とした口調の中に、降矢先生の人間としての強さが垣間見えます。

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林香織さん指導による
「ナチュロパシック・ヨガ」

 赤坂溜池クリニックは、さまざまな療法を取り入れたホリスティック医療の実践だけではなく、ホリスティックヘルス情報室を設けて、セラピストと共に積極的な研修、研究を行っています。実践のうえで一番大切なのは「他職種が連携し、一枚岩となって医療を行うこと」。日本の医療制度の規制が大きい現在、チームとしてどう機能するかがよりよい実践に結びつく鍵でもあります。自分のやり方や考えに固執するあまり、入り込みすぎて地に足がつかなくなり、ホリスティックがホラースティック(おどろおどろしい)になってしまっては元も子もありません。

 これは看護も同じこと。ホラースティックナーシングにならないように、常にいろいろなところに出かけたり、体験してから考えるくせをつけ、視野を広げていく努力が必要とされます。ホリスティックナーシングを実践する看護師は、基礎をしっかりと身につけたうえで、CAMの意義、価値観を正しく認識し、技術だけに先走らないでほしい。なぜならば、ホリスティック医療というオーケストラの中で、ドクターはコンダクター、看護師はコンサートマスターの役割を持つから——というのが先生の考え方。

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おまじないではありません。呼吸法です。

 看護師は要となる医療従事者として、スタッフと患者さん、また、スタッフ同士をつなぐ存在として、常にケアの視点をもって技術の実践を行ってほしい、と語られます。

 今後は、患者さん自身の生き方や価値観がホリスティックに変わるような影響を与える、自然治癒力を重要視した医療の実践を、と考えておられ、クリニックを飛び出して、養生を目的とした森林療法施設の計画もあるそうです。私たちも、先生の熱いはじめの一歩を引き継ぐ一人となるべく頑張りましょう。

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