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2006/05/14
INC session-6 レポート
統合医療ナースはCAMの意義、価値観を正しく認識すること。
宗定 水奈子(看護師・INC)
開催日:2005年11月19日
ゲスト:山本百合子さん(山本記念病院・総合診療部)
INC(インク:Integrative Nursing Community/統合的看護を考える集まり)セッション6のゲストは、山本記念病院(横浜市都筑区)理事長であり、「総合診療部」で代替医療を実践されている山本百合子先生。
![]() 山本百合子先生 |
「山本記念病院は、地域の医療を担う総合病院として一般内科・外科といった診療にあたるだけでなく、患者さんのさまざまな症状や痛みと、不安感といった心の状態との関係性を大切にした医療を行うことで注目を集めています。そういった、保険診療では対応できない治療を行うため、「総合診療部」を別に設けて、患者さんひとりひとりにゆっくりと時間をとっているのです。木材を基調とした部屋は落ち着いており、明るく開放的(私たちもこの診療部を訪れ、その心地よさを実感しました)。周りには、山本先生が読んで感動したという本がたくさん並べられ、他科を受診しに来院した患者さんが、待ち時間をここで本を読みながら過ごすこともできるという優しい空間です。
治療として取り入れているのは、ホメオパシー、アーユルヴェーダ、スピリチュアルヒーリング、レイキ、ハッピー・メイク、スリー・イン・ワン、オイリュトミー、絵画療法、オーラソーマといった代替療法。また、西洋医療を必要とする症状には一般内科、外科で診療を行い、両者が密に連携を取り合うことにより統合医療を展開しています。
山本記念病院ではこのように多くの種類の代替療法を取り入れていますが、療法の用い方について、山本先生はどのような視点を持たれているのでしょうか?
![]() 国際アントロポゾフィー 医学ゼミナール参加者からのお話 |
先生がひとつひとつの療法について学びを深めるなかで出会い、決定打となったのがアントロポゾフィー医学でした。「目からウロコ!でした」と話される先生に、参加者一同の目も大きく見開かれ、思わず身を乗り出します。
アントロポゾフィー(日本語では「人智学」と訳されたりしています)医学とは、20世紀初頭にルドルフ・シュタイナーによって創始された医学です。日本では聞き慣れないかもしれませんが、ヨーロッパではアントロポゾフィー医学による病院やクリニックがあり、その思想の基に医療が行われています。
「自然科学的な医学を土台とし、さらに精神科学的な観点から人間や自然を察し、認識を深める事によって、新たな医療を展開する」——言葉にすると何だかとても難しく思えますが、その宇宙的な視点が「患者さんを、その人をとりまくまるごとを診る」というホリスティック医療の視点にぴったりと重なったのだと話されます。そのとき、視界が急速に開け、「今までいろいろな登山口から頂上を見上げていた山を、空から見下ろした感じがした」のだそうです。
以後、ゴールデンウィークに行われる国際アントロポゾフィー医学ゼミナールの合宿に参加し、学び続けた努力が「総合診療部」の立ち上げという現実につながりました。「とても奥の深い学問のため、まだまだ修行中の身です」と照れ笑いをされる先生は、自己研鑽を続けながら、もっとわかりやすい解説書の必要性を実感したとのことで、現在、入門書の翻訳にも携わっていらっしゃいます。
![]() 輪になっての質疑応答 ![]() 山本先生を囲んで |
今回の参加者には、この合宿に看護師として参加された方が2人いらっしゃり、彼女たちからも合宿の様子を看護師の立場からうかがうことができました。一同のアントロポゾフィー医学に基づいた看護への興味はムクムクとわき上がり、「学んでみたい人は?」の声には、なんと全員の手があがりました。今後、看護部門の(もっと易しい)勉強会の開催を計画されているとのことなので、興味のある方はCAMUNetのHPを要チェックです。
参加者ひとりひとりと目を合わせながら、ゆっくり穏やかな口調で話される山本先生。先生の声は何とも耳に心地よく心の中心に響きます。
「目に見える(測定できる)粗いエネルギーを捉える西洋医療に対して、微細なエネルギー(現在だけでなく過去や未来も含めた生命エネルギー)を捉える医療がホリスティック医療。言葉の枠に当てはめず、その現象が何を示しているのかを感じ取るためには、自己を自分の重心から考えられる力が必要です。自己をしっかり保てないと他者のエネルギーに巻き込まれ、振り回される。自己と他者との境界線をしっかり保たないと治療はできない。"自分は何者なのか?"と考えることから"他者を知る"ことが始まるのです」
INC(2004-2007)
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