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2006/07/09
INC session-7 レポート
統合医療は医療・医療従事者・患者が三位一体化する過程。
宗定 水奈子(看護師・INC)
開催日:2006年1月21日
ゲスト:山本竜隆さん(統合医療ビレッジチーフプロデューサー)
一面の銀世界となった1月21日、INC(インク:Integrative Nursing Community/統合的看護を考える集まり)セッション7(=INC第1期ラストセッション)が開催されました。1年をしめくくってくださったのは、四谷にある統合医療ビレッジを中心とした統合医療ビレッジグループの総院長兼チーフプロデューサーであり「統合医療塾」の山本竜隆先生。当日は雪の中、伊豆から新幹線で駆けつけてくださいました。一同、感謝です。
![]() 山本竜隆医師 |
統合医療の第一線に立つ山本先生が説く「統合医療」とは? 参加者の熱い視線が集まるなか、穏やかな口調でセッションが始まりました。山本先生は、聖マリアンナ医科大学予防医学教室助手時代、自然治療のバイブルとも言われる『癒す心、治る力』の著者であるDr.アンドルー・ワイルに深く感銘を受け、「どうしてもDr.ワイルの教えを請いたい」と、博士がアリゾナ大で主宰している「統合医療プログラム」を日本人として初めて受講されました。
Dr.ワイルの教えの中で特に印象的だったのは、「医療哲学」という、日本の医学部にはない概念。
実験などの研究結果がOKと出ていなければ、それらはすべて"×"なのか? EBM(Evidence-Based Medicine/根拠に基づいた医療)を基準とした判断だけでは、患者さんの全体像を見失ってしまうことになる。日本の医療界が絶対視しているEBMは、決して「絶対」ではなく、正しい医療を考えるうえでの一つのバーションにすぎない——という気づきを得たときには、目からウロコが落ちる思いがしたそうです。
患者さんの全体像をしっかりと見て、自己再生力と自己防衛力の両サイドから治癒力をアップしていくことこそが、医療にとって本当に大切なことなのではないか、そういった思いが山本先生の原動力となり、先生は「哲学のある医療」の道を歩み始めたのです。
![]() Dr.山本を囲んで記念写真 |
ところで、自己治癒力を高める要素には、何があると思いますか? 先生のお話によると、
1)自分の成功体験、2)同じ境遇の人の成功例、3)信頼できる専門家からの意見・指導。そして、4)生物理学的データ・科学的な情報
——だそうです。
日本の医療をとってみると、4つの要素のなかの3)と4)が中心となっており、これからは1)と2)を積極的に取り入れることが求められます。具体的には、プラシーボ効果を最大限に利用することなども有効。患者さんにとって効果があれば、それは自然治癒力を向上させる一つの手段として、価値がある医療行為なのです。
このような視点で改めて統合医療を考えてみると、統合医療とは、自然治癒力を高めるために現代医療と代替医療とを合わせて提供した「結果」ではなく、その「展開・プロセス」であることがわかります。
現代医療や代替医療を含めた「医療」と、「医療従事者」、そして「患者」。この三位が一体化する過程が統合医療であり、その結果が「治癒」なのです。
「医療」と「患者」の間にはきっかけや相性、好み、制度などの関係があり、「患者」と「医療従事者」との間には人間関係のマッチングが、そして、「医療従事者」と「医療」との間には数々のツールが存在します。これらの3つの円がきれいに重なり合った結果、中央に「治癒」がくる——それが理想的な統合医療の姿なのです。
![]() 熱心な意見交換が |
このような全体像を知るためには俯瞰的な視点が必要ですが、医療現場では、医療従事者は「医療従事者」という一方向からの視点しか持たずに、患者さんと向き合うことが往々にして見受けられます。しかし、このような視点しか持たないのでは、統合医療は成り立たないというのは、もう、おわかりですよね。統合医療を目指す医療従事者は、俯瞰的な視点を身につけ、維持するために「医療哲学」を理解し、実践することが必須なのです。
そのうえで、統合医療の有効性を増強するために、チームとして頑強な一枚岩となって機能することが重要。そのためには、互いの意思疎通をはかるためのミーティングを繰り返し行うことが重要です、と力を込めて話される山本先生。受け止める参加者の皆さんの熱い眼差しも相まって、冷え冷えの外とは対象的な熱々の熱気が会場を包み、あっという間に時間が過ぎていきました。
INC第1期の総まとめにふさわしい、聞き応えのある内容に、「雪の中、来て良かったです」、と嬉しい声を寄せてくださった参加者の方々、そして貴重なお話をしてくださった山本先生、どうもありがとうございました。
INC(2004-2007)
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