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ホリスティック医療のすすめ 自分らしい「病い」とのつきあい方 岸原千雅子著 |
表紙に「病は患者のもの、いちばん大切なことを忘れていませんか?」と小さく記されている。このか細くも確信的一言に気づいてほしい。患者(医療利用者)を主体に据えることで、医療世界における西洋医学(医者)対代替医療(治療家)、治療者対患者という二項対立の関係性を超えよう(言うまでもなく、超えられなければ代替医療を使えるものにするのは難しい)という当会関係者にとって、また、ホリスティック医療や統合医療を実態あるものにしたいと考えている人にとって、本書が示唆してくれているものはとても重要だといっていいだろう。
著者は、日本ホリスティック医学協会事務局長の岸原千雅子さん。アロマセラピストであり、フリーライターであり、何よりも自身子宮筋腫を病んだ一人の女性として、つまり誰もが病む、生病老死を抱えつつ生きる人であるという主体をしっかり受け止めるところから始めた著者の医療への向き合い方、その誠実な視点が本書のいたるところにうかがわれる。主体的契機抜きのありふれたホリスティック医学解説書でもなければ、「医者がガンになったとき」ふうの体験記や気づきの本でもない。
この語り方を可能にしたのは著者が女性であることや人柄もあげられるだろうが、理由をそこに帰するのは失礼かもしれない。いちばん大きなファクターはプロセス指向心理学との出会いだろうと思う。医者対治療家、治療者対患者、病む人と健康な人、まあ、人々はよくもこんな図式的観念の虜になっているものだとは思うが、その意識がリアルをつくり、それに向かいあってきた著者が、独断を承知で言えば、個個人の無意識に内在化された関係性の「しがらみ」を変容させる技であるプロセス指向心理学と共時的に出会ったのは不思議ではない。
本書のいたるところにプロセス指向心理学への共感を読むことができるが、それはじつにシンプルだ。
「突然、自分が病気になったら、あるいは家族が病で倒れたら。あなたは、病気や医療とうまくつきあうことができますか? 自ら治療法を選べますか?」
んーむ。プロセスワークのテーマにぴったりだ。(有岡 眞)
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