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祈る心は、治る力 ラリー・ドッシー著 大塚晃志郎訳 |
アンドルー・ワイル博士と並ぶアメリカのホリティック医学の指導者、ラリー・ドッシー博士の『癒しの言葉』(春秋社)の一般向け実践編とでも位置づけられる本。93年に出版された前著を御存じの方は、オレゴン州セーラムにあるスピンドリフト研究所が20年も前から「祈りの治癒力」をさまざまな形で実験し、実証してきたことを知っていると思う。
どの実験も極めて慎重に十分な時間をかけて科学的に行われたものだから、祈りに治癒効果があるかないかという論議のレベルは既に問題外で、私自身も「祈りの非局在性」や「人はなぜ祈るのか」「なぜ祈らないのか?」「どう祈るのがいいのか」といったほうに関心事は移っていた。祈りを量子医学や微細エネルギー、生物電気や集合的無意識、波動性といったところと重ねあわせて考えられないかとか、瞑想や気功における入静との共通項でとらえなおせないかといったことである。
この本は前著で出版の後の読者からの反応に答える形で構成されている。
1)祈りの有効性の科学的根拠 2)祈りの実験にまつわる議論 3)祈りとは何か 4)祈りはどうあるべきか。
それでも、不思議なものである。前著でも今度の本でも、祈りに治癒効果があるかないかの実験についての言及は必ずしも十分とも親切とも言えないように思える。スピンドリフト研究所の報告はむしろ科学的データとして提示してほしいところだが、博士の関心は既にそこにないようだ。博士だけでなく、多くの読者も虚心になれば、古代から続く祈りの治癒力を自然なものとして直観し受け入れるに違いない。ドッシー博士の立場は明解である。
「祈りは現代医学より『優れている』というわけではない。祈り、薬、手術——これらはすべて私たちにとって祝福であり、恵みであり、贈り物である。畏敬の念と感謝をもって、これらの手段をすべて用いることがどうしていけないのだろうか?」
「声をかけ、耳を傾け、祈る」いったい私たちは何を回復しようとしているのだろう? (有岡 眞)
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