Book Club
特 集
カムネットが選ぶ「癒し」の代替医療 30+α books
2005年11月1日(月)〜30日(火)に東京・池袋ジュンク堂で開催したブックフェアのリストです。
代替医療全般&統合医療
1.『いまなぜ「代替医療」なのか〜治癒系を活かすヒーリング・アート』上野圭一+CAMUNet著 帯津良一監修/徳間書店/1785円
「代替(だいたい)医療」とはアメリカでいうの「オルタナティブ・メディスン Alternative Medicine」を素直に訳したもので、“現代医学(近代西洋医学)以外の各種治療法・健康法の総称”という大きな枠組みのこと。(ちなみにイギリスではComplementary Medicine=補完医療と呼び、それらを合わせてComplementary and Alternative Medicine=略称CAMという呼び方があり、CAMUNetは英文名ではCAMを採用している)
そして本書は、わがCAMUNetが企画・執筆・編集した〈オール・アバウト・代替医療〉。なぜわれわれはオルタナティヴ・メディスンのことを「代替医療」と呼ぶのかから始まり、欧米での代替医療の流れを検証し、日本の医療の歴史を踏まえ、日本での代替医療の現状と可能性などについて探った。
2.『代替医療〜オルタナティブ・メディスンの可能性』上野圭一著/角川oneテーマ21/700円
『補完代替医療入門』上野圭一著/岩波アクティブ新書/735円
オルタナティブ・メディスンの「オルタナティブ」は、本来持つ“選択肢”“代案”“代替”といった意味を超え、大量生産・大量消費などのあり方に象徴される〈近代〉の非持続的なライフスタイルへの批判から、“エコロジカルな”“サステナブル(持続可能)な”といった新しい、そして積極的な意味が付与されている。このことからもわかるように、このことばは近代に切り捨てられ、忘れられ、置き去りにされたものを復権させるという、60〜70年代の対抗文化(カウンターカルチャー)運動の中から産まれたもので、代替医療の思想もまたこの中から出てきた。
CAMUNet副代表でもある上野圭一さんのこれら両書は、たとえば2.『代替医療…』ではそうした時代的・文化的側面から、3.『補完代替医療…』では代替医療の現代医学とは異なる人間観・生命観・病気観から、それぞれ代替医療の今日における意味や可能性についてアプローチしたもので、併せて読めば代替医療の全体像がよくわかると思う。
3.『治る力を呼びさます 統合医療のすすめ』山本竜隆著/東京堂出版/1995円
「現代医療」「代替医療」といった枠組みを超えて、これからは「統合医療 Integrative Medicine」の時代だ——という新しい医療ムーブメントが日本でも起きつつある。
統合医療の旗手の一人が米国アリゾナ大学のアンドルー・ワイル博士だが、著者はそのワイル博士が主宰する同大の「統合医療プログラム」を日本人として初めて受講した医師で、本書はその医療哲学をベースに、統合医療とはどのようなものかについて、かつ日本での可能性についてわかりやすく書かれている。
4.『看護職のための代替療法ガイドブック』今西二郎&小島操子編著/医学書院/2940円
〈看護をより効果的に行うために、代替療法の実践の幅を広げ、あるいは代替療法に関する知識を身につけることが、21世紀の看護の場において重要となってくることは間違いがないと確信している〉(まえがきより)ということから看護職向けに編まれた代替療法の入門書だが、本書で取り上げられているそれぞれの療法がどんなもので、どのように使えば効果的かなどわかりやすくまとめてあり、一般の人にとってのガイドブックとしても役立つはずだ。
5.『パッチ・アダムスと夢の病院〜患者のための真実の医療を探し求めて』パッチ・アダムス&モーリーン・マイランダー著 新谷寿美香訳/主婦の友社/1890円
ロビン・ウィリアムズの主演で映画化されて世界的に有名になった“愛とユーモアの医師”パッチ・アダムスが、自身の経歴と彼が描く「夢の病院」について語った本。彼の病院では、さまざまな代替医療が取り入れられているが、大事なことは医療の種類ではなく、その質にあることを教えてくれる。ちなみに、CAMUNetでは彼にインタビューを試みており、そのレポートは
http://camunet.gr.jp/bookclub/special/index_patch.html
ここから読める。
自然治癒力
6.『自然治癒力を高める連続講座1 代替療法と免疫力・自然治癒力』
『同2 自然治癒力・免疫力を高める食生活』『同3 自然治癒力を高める生活習慣のすすめ』『同4 自然治癒力・免疫力が高まるかんたん健康・運動法』ほんの木/各1680円
きわめて大まかにいえば、代替医療に共通するのは、生体にもともと備わる「自然治癒力」の賦活に主眼を置いているところだ。この生体のメカニズムを、A.ワイル博士は「治癒系」と呼んでいるのだが、『自然治癒力を…』はそのタイトル通り、自然治癒力をキーワードにした雑誌スタイルのシリーズ本。基本的考え方、食のあり方、健康・運動法……と、毎号題材を変えながら、その実践法に取り組んでいる。
7.『未来免疫学〜あなたは「顆粒球人間」か「リンパ球人間」か』安保徹著/インター・メディカル/1901円
『免疫革命』などで、いまチョー人気の安保先生の本からは、あえて本書。「何とも面白い本である。わかりやすさと知的興奮、好奇心をこういう形でまとめてくれた一般向け医学書はそう多くはない。話は“晴れた日に虫垂炎が多いのはなぜ”に始まり、気圧と酸素、長寿と短命、飽食と時代、空腹とセックス、飲酒と麻酔、免疫の日内リズム、月と太陽、男と女、喜怒哀楽と生体反応、がんと自己免疫疾患まで、生物物理、生化学のテーマを、生体防御の進化に対応してできたリンパ球と顆粒球とそれを支配する交感神経、副交感神経の関係を基軸に展開される。言い換えれば、免疫と自律神経を視点に据えて世界を再編して見直したものと言うこともできる」というのが、カムネット・メンバーの推薦の言だ。
アンドルー・ワイル
8.『人はなぜ治るのか〜現代医学と代替医学にみる治癒と健康のメカニズム』アンドルー・ワイル著 上野圭一訳/日本教文社/2450円
ホリスティック医学、あるいは代替医療というものに日本の医学関係者たちが蒙を啓かれたのが『人はなぜ治るのか』であり、博士の代表作。そうした領域に関心を持つものにとって、本書は未だに最初に手にすべき必読書といっていい。
9.『癒す心、治る力』 『心身自在=癒す心、治る力・実践編』アンドルー・ワイル著 上野圭一訳/角川文庫ソフィア/各840円
『癒す心…』は全米で大ベストセラーとなり、日本でもこの手の本としては破格にヒットし話題になった。それまで自然治癒力などと言われてきたものを“治癒系”という考え方で統一し、治癒系の働きを阻害する要因、活性化する方法、治療法の選び方、代替療法を選ぶ基準、賢い患者としてとるべき戦略、奇跡的治癒の実例まで、実用を入り口にした博士の万人向けの本。
ホメオパシー
11.『女性のためのホメオパシー』バリー・ローズ&クリスティーナ・スコット−モンクリフ 板村論子・細谷律子・長瀬真理訳/エンタプライズ/5040円
極めて簡単に言えば、現代医学では、たとえば発熱に対しては熱を下げる薬剤を投与するのが普通だが、そうではなく、健常な人が飲めば発熱する薬剤(レメディという)を与えるという、まったく違う医療体系がホメオパシー。日本語では「同種療法」などと訳される(それに対して現代医学はアロパシー=反対療法と呼ばれる)。
ドイツで200年前に生まれ、欧米ではポピュラーな代替療法だが、ここへきてようやく日本でも関心が高まり、「日本ホメオパシー医学会」が設立されて、いま多くの医師が学んでいる。そのホメオパシーについて、幅広い見地から説いたのが『癒しの…』であり、翻訳書で専門的だが女性に特化したのが『女性のための…』だ。
植物療法
12.『からだの自然治癒力をひきだす「緑の医学」〜植物のもつ癒しの力で、ほんとうの健康を手に入れる』林真一郎著/サンマーク出版/1785円
植物療法にはアロマテラピー、フラワーレメディ、ハーブ療法なとがあるが、それらを薬剤師であり、メディカルハーブの研究者・普及啓蒙者として知られる著者が、「植物の有効成分を使って私たちの自然治癒力を高め、身心の調和をとり戻す方法」と定義し、「緑の医学」と呼んで、歴史から効能などまで幅広い視点から、「いまなぜ緑の医学なのか」について語っている。
13.『アロマテラピーの事典 ベーシック』 林 真一郎編/東京堂出版/2310円
植物の芳香成分によって心身を癒すアロマテラピーのA to Z。ホリスティック医学の概念も盛り込みながら、その基礎知識から実践、ハーブティーなどによる植物療法との併用など、ストレス社会に適した健康法を紹介。
14.『バッチフラワーの癒し〜日本での実践例と可能性』バッチホリスティック研究会編 林サオダ監修・訳/東京堂出版/2100円
日本ではあまりなじみがないが、イギリスやアメリカの薬局や自然食品店にいくと、透明な液体の入った10cmほどの小さな茶色のビンに 「Bach」と書かれたものが置いてある。英国のE.バッチ博士がホメオパシーから発展させてつくった花のエネルギーを転写した「バッチフラワーレメディ」だ。一般的にサプリメントが直接身体的機能の改善に関与するのに対して、このバッチフラワーはこころの深み(感情)に作用するという不思議な働きがある。つまり、心を癒すことで全体を癒そうというもので、イギリスでは医療の現場でも不安の軽減などに使われている。
15.『ドイツ婦人のハーブ学』八木あき子著/新潮社/1260円
ヒルデガルド・フォン・ビンゲンという名前をご存知だろうか。12世紀ドイツの修道女で、彼女の影響力は鉱物学、動物学、医学、神学、文学、音楽など幅広く、ハーブ学はそのうちのひとつでしかない。
本書の一般のブックレビューでは「ドイツの知恵に学んだ著者が、日本で手に入る50種類のハーブの薬効と利用法を紹介」とそっけないが、記述はヒルデガルドの言葉から始まっており、著者がハーバリスムの霊感(インスピレーション)を受けた本だということがわかる。随所に、今日の世界をめぐるハーブブームへの警鐘や、歴史を顧みることの重要性を説き、あたかも何か使命感を帯びているのではと思いたくなる。
ボディワーク(手技療法)
16.『風邪の効用』『整体入門』野口晴哉著/ちくま文庫/各630円
日本における“気”の偉人の一人、「野口整体」の創始者・野口晴哉。彼の著作が、ま、まさか文庫本になるなんて……と驚いた2冊。独特の身体観が面白い実践の書。
17.『いのちの輝き〜フルフォード博士が語る自然治癒力』ロバート・C・フルフォード&ジーン・ストーン著 上野圭一訳/翔泳社/1575円
アメリカではホメオパシーと並ぶ代替医療の代表格だといわれる、筋骨格系にはたらきかけ自然治癒力を高める手技療法オステオパシー。その名医(D・O=オステオパシー医)が語ったオステオパシーと、彼がその熟練した“手”を通して感知したホリスティックな医療観・生命観・人間観。まぎれもなく代替医療にかんする名著のひとつと言っていい。
伝統医療
18.『医療気功』鵜沼宏樹著/春秋社/ 1995円
気功に関する本は多いが、その中から本書を選んだ。帯津三敬病院で現代医療とともにがんに対して鍼灸・気功治療に当たってきた著者による、本場・中国での気功修業を踏まえ、また帯津病院での実践を通して、医療としての気功について考察した本。これから気功を習ってみようという人には、その歴史や「気」の意味などから説き起こされており、気功とはどのようなものか、その可能性はどうなのかなど、方向を示してくれるだろう。
心理療法
19.『こころの甲羅をはずしませんか〜こころの傷を癒し、ほんとうの自分と出会えるイメージ・レッスン』菅原はるみ著/日本教文社/1300円
不眠症・不安神経症・幼児虐待・がん死・不安など。著者のもとに訪れた人々にどのように癒しが引き起こされるのか語られた前半部と、そこで使われているさまざまな癒しの技、呼吸法・笑い・五感・自律訓練法とすべての基本になっているイメージ療法の実践ガイドの後半部で構成されている。優しく温かくわかりやすく役にたつ一般向けの心理療法入門書。
20.『笑いと治癒力』ノーマン・カズンズ著 松田銑訳/岩波現代文庫/945円
ある日突然、重篤な膠原病と診断され、いまの医療では打つ手がないと医者から宣告されたジャーナリストの著者は、絶え間なく襲う痛みの中で、持ち前の知識と知恵を駆使した結果、マルクス兄弟の映画やテレビのコメディ番組を見て笑うことと、ビタミンCの大量投与という二つの方法を自ら考案、奇跡の治癒を果たす。——笑いがリウマチの痛み物質を軽減させることが証明されたのは近年のことだ。
食事療法
21.『私のがん養生ごはん〜告知されたその日からはじめる』柳原和子著/主婦と生活社/1680円
22.『がんを治す食事療法レシピ』総監修・帯津良一/法研/1575円
どちらもがんに関する食事療法の書だが、がんが日常生活のあり方の果てに罹患する病とすれば、食は健康の基本にあるということで、これらはいずれもがん患者だけでなく、誰にとってもの参考書となる。
21.『私の…』は、自らがんを病みながら、長期生存を果たした患者たちを訪ね歩いて“生き延びた”秘訣を聞き、一方で現代医学のがん治療について医師に激しく問いただし、“患者学”なることばを創出して話題となった『がん患者学』(晶文社)の著者によるもので、その“生き延びた”彼らの多くが実践していた食事と心の療法を習い、模倣しているうちにたどり着いた、いわば『がん患者学』の実践の書。
22.また『がんを治す…』は、がんに関する食事療法として、現代栄養学と「幕内式食事療法」「マクロビオティック」など代表的な代替食事療法5種の理論とレシピを集約。がんの治癒と予防を促す食生活を提案する1冊。
エネルギー療法
23.『バイブレーショナル・メディスン-いのちを癒すエネルギー医学の全体像』リチャード・ガーバー著 上野圭一監訳 真鍋太史郎訳/日本教文社/3200円
ホメオパシー・鍼灸・ヒーリング・クリスタル・音療法……主要な代替医療の作用メカニズムは生命エネルギーの働きによるものであり、人間は振動する多次元的な存在であると理解すると不可解だったことが極めて科学的に了解できるし、身-心-霊のつながりはこの統一理論によって科学的(仮説)で理解できる——という、波動医学と生物物理統合のパイオニア的著作。
24.『セラピューティック・タッチ あなたにもできるハンド・ヒーリング』ドロレス・クリーガー著 上野圭一&菅原はるみ訳/春秋社/2400円
ハンド・ヒーリングといえば何やら怪しげと思う人が多いが、世界各地に残るプリミティブな代替療法だといえる。本書は、正看護師でニューヨーク大学名誉教授のドロレス・クリーガー博士がそうしたさまざまなヒーリングを研究し、理論化して独自に創始、全米で15%の看護師たちが学び、看護の現場で活用しているといわれるハンド・ヒーリングのベーシックなテキスト。
サプリメント
25.『 SAPIOムック サプリメント健康バイブル 2004』NPO日本サプリメント協会/小学館/1500円
ビタミン・ミネラル類を中心に、日本でも大きな市場をつくりつつあるサプリメント(健康補助食品)。ドラッグストアやコンビニなどで手軽に買えるとはいえ、やはりからだに入れるものだけに、正しい知識と選択は必要だ。本書がその目安を提供してくれる。
がんの代替療法
26.『希望のがん治療』斎藤道雄/集英社新書/714円
27.『私のガンは私が治す』イアン・ゴウラー著 小川京子訳/春秋社/2415円
28.『がんを治す療法事典』帯津良一監修/法研/2940円
29.『どんなガンでもあきらめない〜帯津三敬病院に生きる』村尾国士著/晶文社/2730円
がん患者で何らかの代替療法を試していない人はほとんどいない、といわれる。裏を返せば、現代医学の限界がよくわかるのががんという病ということができる。
26.『希望の…』の著者は、TBSのディレクターで、「報道特集」のがんシリーズを担当していた人。
「本書は、実際にがんが治った大勢の人たちへの取材を通じて、現代医療のもつ限界と、人間の自然治癒力を基本とし、免疫学の新しい知見に裏づけられた代替療法の有効性、可能性を浮き彫りにしていく。"がんは治る" "がんは自分で治せる" 病気であることを実例によって紹介する希望の書である」(ブックレビュー)
27.『私のガンは…』は、骨肉腫の発症から半年後に骨と肺に再発、余命2週間(!)と宣告されたが、、「自分の命を生かすのは何よりも自分自身である」という強い信念を持って、既存の療法から補完代替医療までさまざま試みるうちに、「心身の均衡と安らぎを得ることが癒しである」と考えるようになり、徹底した瞑想法を中心に、食事からものごとに対する考え方、人間関係の持ち方などを意識的に変革していった結果、2週間をはるかに生き延びたばかりか、2年後には「進行がんの兆候なし」と診断されるに至り、現在メルボルンでがん患者の支援センターを運営している知者による、「がんは医師のご託宣で決まるものではない」という希望の書。
1.『がんを治す…』は、同じ帯津博士の監修で出版され、がんという病について初めて代替療法に視点を広げた事典としていまに至るも版を重ねている『がんを治す大事典』の企画者が、それから13年の時を経て新たに編んだ大部の労作だ。
29.『どんながんでも…』は、がんのホリスティックな医療に4半世紀近く取り組んできた帯津良一医師のことを、ジャーナリストが第三者の目で取材し、綴った著書で、私たちはあらためて帯津良一なる人を知ることができた労作だ。
動物
30.『ペットのためのハーブ大百科』メアリー&グレゴリー・ティルフォード著 金田郁子訳/ナナ・コーポレート・コミュニケーション/6825円
いまやホメオパシーもアロマテラピーも鍼灸も、多いに活用されているのはペット医療の世界。本書は全米でベストセラーとなった“コンパニオンアニマル(家族とともに暮らす動物)のためのハーブ大全”とでもいうべき本だが、ハーブにとどまらず食事などホリスティックなペット・ケアに言及している。ペットも代替医療の時代なのだ。
特 集
Dr.Weil and his world
~ワイル博士とその世界~
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