Ecological Medicine
2009.3.7 更新
健康と環境を考える「エコロジカル・メディスン」1
コミュニティ・ハーバリズム〜身近な薬草を使おう
安 珠 (ボディワーカー、エコロジカル・メディスン研究家)
コミュニティ・ハーバリズム Community herbalism
「コミュニティ・ハーバリズム」とは、要は身近にある薬草を使おうということである。
おばあちゃんの知恵袋的に、昔から実践されてきたことだ。しかし、西洋医学の広がりに伴い道端や軒先の薬草を使うなんていうことは忘れ去られている。人から聞いた話だけれど、おばあちゃんが近所で摘んだヨモギで団子をつくり孫にあげたら、親が子供に「犬のおしっこがかかって汚いから食べちゃだめ」言ったとか…。動物の排泄物はともかくとして、公園や街路樹には殺虫剤がまかれているという現状もあるので、確かに都会であれば摘んだ薬草を使うのはあまりすすめられたものではないかもしれない。しかし、摘んだ薬草が使えないような環境に住んでいる自分たちは、健康的であると言えるのだろうか?
そこに問題意識を向けてみることが大切だと思う。
最近、食については「地産地消」という言葉が使われるようになってきた。
地元で取れた農産物や水産物を優先的に使おうということだ。
これは、地域にお金の流れをとどめ、地域活性化、地域の力を高めるという経済的な効果もあると同時に、採(獲)れたての新鮮で栄養価の高いものが食べられるとか、輸送によるエネルギー消費が抑えられるので環境負荷も低いなど、健康と環境にもメリットがある。薬草だって、輸入にばかり頼るのではなく、身近なものを見直してもいいのではないかと思っていたところ、米国では「コミュニティ・ハーバリズム」という名称で実践をしているというのを知った。
バイオリージョン Bioregion
もうひとつのキーワードとして「バイオリージョン(生命地域)」という言葉がある。
地域の気候や風土を知り、そこにどんな生物が住んでいるかに基づき、その場所にあったライフスタイルや文化を社会の基本単位とする考え方で、米国で起こったものだ。
米国の地図を見ると州境が直線のところが少なくない。これは単なる行政の境界であり、生態系を考えたものではもちろんない。自分自身が住んでいるところを“バイオリージョン的”に考えてみるというのは、自分がどこに生きているかを理解し、ライフスタイルを環境に即したものに見直す上で重要なことだと思う。
自分が飲んでいる水道の水はどこから来ているのか、どんな動物が住んでいて、どんな植物が生きているのか。水は蛇口からではなくその先に川があり山がある。そして、その山、川、森は今、どんな状態だろうか?——
できれば、自分が飲んでいる水の水源を訪ねることをしてみるのが良い。どんな薬草が手に入るかも調べてみたら楽しい。自分が住む場所を知り、そこにあるものを使う。それが無駄なエネルギーを使わず環境負荷も少ない、そして新鮮なものが得られ余計な防腐剤などを使う必要がなく健康にも良い、というライフスタイルに繋がっていくのである。
いまでは様々なセラピーが海外から紹介されているが、日本のセルフケアの自給率ってどれぐらいなんだろうと心配になってしまう。すべてを地産地消にする必要はないと思うが、外のものに頼りすぎることなく、どれぐらいのバランス感覚を持ったらいいかを考える必要があるし、身近なものを使うということが自分と環境の繋がりを取り戻す機会にもなる。
それにしても、身近な薬草が普通に使える環境に暮らしたいものだね。
●安珠さんのサイト
アロマグルーヴ http://www.aromagroove.jp/
エコロジカル・メディスン http://blog.goo.ne.jp/ecomed