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Self Healing

 

Qigong-everyday ー 気功的日常
功法4 足裏を感じながら歩く

今村 美沙子

 えさを求めて動き回ることがその特色である動物にとって、直接移動に関わる足は、大変重要なものです。また、古来「老化は足から」と言われているにもかかわらず、人間は足を道具としてのみ使用し、そのメンテナンスをついおろそかにしがちです。

 そこで今回は、移動に焦点をあわせるのではなく、足腰の内部の連動、体内のつながりを養う歩き方をご紹介したいと思います。

【歩き方】

歩幅は、足1足分。
(右足)かかとで着地し、小指から親指まで順にゆび一本ずつ着地させる要領で足裏を地面に着けていく。
その間に、逆側(左足)のかかとが上がる。
右足裏全体にしっかり重心が乗り、安定したら、左足を前に出し、同様にかかとから着地していく。
以下繰り返し——。

 足裏に掛かる力の移動を、ていねいに感じながらやってみて下さい。次第に足裏だけでなく、足から腰、そしてからだ全体が内部で動くここちよさを楽しむことができるようになります。

「足」を考えるときに、大腿骨から下全体をとらえ、大きくわけて腿・膝・足首・かかと・足先がその構成要素とみるのが習慣になっている方が多いと思います。ですから、目をつむったままで、それぞれの足指を1本1本思い描こうとすると、5本全部をクリアにイメージするのは意外にむつかしく、さらに「1本ずつ着地させる」のはなかなか大変です。

 そのような場合は、湯船の中で、足の指1本1本をつかんでまわしたり、気持ちのよい範囲で引っ張ってみたりという具合に、足指それぞれとの対話を深めてみると良いと思います。
 そして、歩きながら、「きちんとできているかどうか」にはこだわらず、「今の自分の状態として、それなりにできている」と足指を信頼し、少しずつ気負わずに繰り返すことがポイントです。

 私は、数年前にバイク事故で右薬指を切断しました。右足首から脛にかけても痛めていたようですが、手指のけがが大きかったため、治療中は足の方の痛みを感じませんでした。けれども、手指の方が一段落したのでしょうか、家に帰り着く頃には、歩くのも大変なほどに足が痛み出しました。翌日は、病院へ行かねばならないのですが、動くのはつらい。「こうやって動くより、じっと寝ている方が早く良くなる気がするのだけれど……」などと、ちょっぴり不満の思いも出てきます。

 痛む右足をかばって歩き、その余波で左足に衝撃が加われば、左足を痛めるおそれがある。ならば、極力左足に負担がすくないようにと歩幅を小さくし(1足分)、かかとから小指・親指にかけての足裏の回転を意識しながら歩いてみたところ、右足の痛みが消えました。

 はた目には奇異な様子に見えたかもしれませんが、それよりからだの修復、つまり、からだが楽であることの方が大事。けがした右指を、胸前で左手で包むように握り込んで歩きました。

 ところで、当時「どう見えるかよりも、からだの方が大事」と思っていたとはいえ、もしかしたら、「この白い包帯が、奇異にみえることをカバーしてくれる」と、どこかで意識していたかもしれません。包帯をとったら、この歩き方がやりにくくなりましたから……。

 この「白い包帯」というカモフラージュ(?)が、「自分がどう見えるか」という、無意識に起こるからだの余分な緊張を、取り除く役目をしていたかもしれません。

 そして今では、あのときは非常事態として「痛み」というかたちでからだからの強い要求があったために短期間で身についたこの歩き方を、歩幅は通常にして日常的に使っています。

 歩くことが、体内のマッサージになっていることを感じ、日常の中で、身体そのものがここちよい時間を確保するゆとりのあることが、本当の豊かさではないかと思いながら。

いまむら・みさこ Misako Imamura

20年余、子どもの世界でおきる事柄をみつめ、大人の心身の健康が大きな影響を与えていることを感じ、10年前から気功にふれる。気功にこだわらない心身技法を整理した「こころとからだが変わる 100日トレーニング」のプログラムを、3年半にわたり5回企画実施。その結果、「リラックス」「ふれあい」「つながり」をキーワードに、日常的な疲労回復から始まり心身の深い疲労回復を解決することによって、人のつながりが、やわらかな、あたたかいものになっていくことを確信する。気づかぬうちに蓄積させてきた深い心身の疲労を回復させていくことは、同時に身体本来の自然治癒力を発揮できる身体を取り戻すことでもあると考え、健康を視点においた運動にも4年弱関わる。現在フリー。

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