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2004/12/08

『eCAM:Evidence-based Complementary and Alternative Medicine』について

奥田 恵美子(オックスフォード・ジャーナル)

■OUP(Oxford University Press)からの新雑誌創刊のお知らせ

 医療の質への注目は、近代医療研究者達の間でのEBM概念、また医療従事者と患者との間でのインフォームド・コンセント概念の確立につながりました。現在医療者をふくめた多くの人々の間で高まっている「補完代替医療」(CAM)・「統合医療」(IM)への関心もその結果のひとつといえるでしょう。しかし残念ながらCAM領域は近代西洋医学に比べると、未だ科学的検証が伴わない混沌とした状況にあります。このカオティックな領域にevidence-basedな秩序を導入することを目指し、Oxford University Pressは新雑誌『eCAM』を創刊する事を決定しました。

●免疫学を軸に補完・代替医学を再構成

 CAMを把握するための代表的視点は、*免疫*神経*内分泌の3つであるといわれます。『eCAM』創刊は,基礎研究を積み重ねてきた免疫学の研究者から端を発し、5年がかりで実現することになりました。

●カリフォルニアとアジア、東西医学の架橋

 もともとCAM(英語名)とは、一般には西洋医学を中心とした近代医療に対して、それ補完する医療をさしました。一方アジア人にとってのCAMとは、漢方・和漢薬・鍼灸として脈々と既にあるもので「代替」ではなく「伝統」です。日本の近代医学が西洋医学に追随したために、それらは研究対象として忘れ去られてきました。また、近代西洋医学との質の違いにより、CAM にevidenceを導入するのは容易ではありません。

 当誌創刊のプロジェクトは、カリフォルニア大学統合医療センター(CCIM)が全面的にバックアップをしています。同時に、CAMの長年の実践者であるアジア各国の研究者達をEditorial Boardに迎え、東西医学の架橋となることをめざす当誌の理念は、カバーデザインにも込められています。

 日本からは安保徹先生を始め、山田陽城先生・鈴木信孝先生などがEditorial Boardにご参加くださっています。

●オープン・アクセスのe-journal

『eCAM』は従来の「購読」型雑誌ではなく、読者にフルテキストを公開する「オープン・アクセス」の先駆けを試みています。『eCAM』 の'e'は、'evidence-based' だけでなく、'electronic'の'e'でもあります。

www.ecam.oupjournals.org へ今すぐアクセス下さい。

 

創刊号掲載論文のご案内:

 日本の免疫学第一人者である多田富雄教授が、スーパーシステムと新しい’Epimedicine’という概念を提唱して、CAMを哲学的に考察します。また、危険と隣り合わせでもある鍼灸に対して、神経生物学的見解を論じるSheng-Xing Ma先生の論文は、10月までのアクセス数最多論文のトップ3に入っています。

次号(vol.1 no.3)掲載論文のご案内:

 和漢薬分野を代表する寺澤捷年先生のレクチャー・シリーズも、次号が最終回となります。 Michael R.Irwin教授の高齢者の帯状疱疹に関する論文は、臨床現場からの声として見逃せません。

オックスフォード・ジャーナル、オックスフォード大学出版局(株)

〒113-0023 東京都文京区向丘1-1-17-5F

TEL:03-3813-1461 FAX:03-3818-1522

担当:奥田 恵美子  Email:okudaoup@po.iijnet.or.jp

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