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2004/12/08
INC session-0 レポート
"看護のちから"を再認識するために
彌永 千恵(看護師・INC世話人)
![]() INC session風景 |
10月11日、東京・高田馬場のCAMUNetで、INC(インク:Integrative Nursing Community)の初めての集まり"Session-0"(発足準備会的な集まりでしたから"ゼロ"としました)を開きました。INCとは、補完・代替医療(CAM)や統合医療といった新しい医療の潮流を意識し、代替療法について興味や関心を持った看護師が中心となり、看護の領域からも積極的にシンパシーを発しながら、看護師の立場や役割を見出していこうというもので、"統合的看護を考える集まり"というようなニュアンスから命名したものです。
当日は、呼びかけてから間がなかったにもかかわらず、看護師の他にも介護士や栄養士、医療事務や一般会社員など様々な職種から23名ものの参加がありました。看護師歴5年の私と同年代のナースから、師長さんクラスの先輩ナースまで年齢層も幅広く、ひとつの新たなムーブメントが始まるという緊張とともに、おもしろい会になりそうだなという予感が感じられました。
セッションは、英国エクスター大学に留学し、看護と代替医療について学ばれた村上理恵さんの「緩和ケアにおける看護師による補完療法の実践の検討−日本とイギリスの比較」というお話から始まりました。イギリスの医療現場では、看護師が代替療法にどのように取り組んでいるのか、また受け手である患者を取り巻く代替療法の実際の状況はどうなのかなど、日本との比較を交えて聞くことができました。
![]() ゲスト・スピーカーの 村上理恵さん |
村上さんによれば、イギリスのホスピスや病院などの施設では、十分な訓練を受け、資格を有した看護師が専任として代替療法の実践に当たっており、その実践の仕方は"意図的介入"であり、症状の緩和や精神的サポートなどといったはっきりとした目的が伴っています。それに対して、日本では看護師は"患者の日常生活に密着"しながら、看護の一部として代替療法が実施されているそうです。なかでも、「日本の看護師は漢方の内服介助や、患者さんに歌を歌ってあげたりすることも代替療法の一部だと認識している」というエピソードは大変興味深いと思いました。患者にとってよいと思われるもの、イコール代替療法と捉えている面が日本の場合あるようです。また、日本の場合もそうであるように、イギリスにおいても、同業者の理解が得られなかったり、看護師自身の知識・技術不足が代替療法の実践を妨げる要因となっているという指摘もありました。私にとっては、村上さんの「看護そのものがホリスティックなものであり、代替療法を取り入れたからホリスティック看護というのではない」という言葉が、とても印象的でした。
その後、参加者一同が大きな円となり、フリートークの場をもちました。ほとんどが代替療法やCAMについて興味を持っており、「看護と代替療法」をめぐって様々な意見交換がなされました。そこでは、一様に看護師として働きながらも、現在の医療現場に何らかの問題意識を抱いており、同時にホリスティック医療やCAMの必要性を感じていることが共有されたように思います。
![]() 感想を述べる上野圭一さん |
代替療法について学び、そこから現状を打破するための解決策を見出そうとする、参加者の前向きで意欲的な意識も感じることができました。また、その多くが日頃なかなか代替医療について同僚などと語りあう機会を持てないでいることもわかり、ホリスティックな看護観をもつ看護師同士が集まり、ともに学び、語り合える交流の場がのぞまれていることを改めて実感しました。そして、私たちは単にセラピーの知識や技術を得ることを目的とするのではなく、"看護を基盤におきながら代替療法に取り組んでいく"ことの重要性について、話し合いました。それは、'看護ケアの本質'について考えていくことであり、"看護のちから"を再認識することにつながっていくのではないかと考えます。INCの活動についてはまだ手探り状態にありますが、こうしたテーマに関心のある皆さまの参加を、お待ちしています。
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