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2004/12/08
看護師のための'CAM'ハンドブックを編集して
川嶋 朗(東京女子医大附属青山自然医療研究所クリニック所長)
■『ナースのための補完・代替療法の理解とケア』川嶋朗編集/2100円(税込)/学研/04.10
![]() 川嶋 朗さん |
看護とは何かということを紐解いてみると、日本看護協会は、「看護とは健康であると不健康であるとを問わず、個人または団体の健康生活の保持・増進および健康への回復を援助することである。すなわち、人間の生命および体力を守り、生活環境を整え、日常生活への適応を援助し、早期に社会復帰できるように支援することを目的とするものである。また、治療効果を上げるための診療補助業務は看護の役割である。」と定義している。
また国際看護師協会では看護を以下のように説明している。
「看護は、ヘルスケア制度の欠くことのできない一部分として、あらゆるヘルスケアの場および地域社会において、健康の増進、疾病の予防および身体的精神的に健康でない、あるいは障害のある、あらゆる年齢の人々のためにケアを包含する。この広い範囲のヘルスケアの中において、看護師にとって特に関心のある現象は、『現にある、あるいはこれから起こるであろう健康上の問題に対する個人、家族および集団の反応』である。これらの人間の反応は、個々の発病に対して健康を回復しようとする反作用から、ある地域住民の長期にわたる健康促進のための方針開発までの広範囲にわたる。病気あるいは健康な人をケアするにあたっての看護師の独自の機能とは、彼らの健康状態に対する彼らの反応を査定し彼らがもし必要な力、意志あるいは知識を持っていれば手助けされなくても行えるであろう健康あるいは回復(あるいは尊厳死)に資するこれらの行為の遂行を援助すること、そして彼らができるだけ早期に部分的あるいは全面的な自立を得るような形でその援助を行うことである。ヘルスケアの環境全体のなかにあって、看護師は他の保健専門職者および他の公共サービス部門の人々とともに、健康増進、疾病予防および病気や障害のある人々へのケアのための保健制度の妥当性を確保するための計画立案、実施、評価という機能を共有する」
さらにナイチンゲールは『看護覚え書』の中で、「看護とは新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさを適切に保ち、食事を適切に選択し管理すること、こういったことすべてを、患者の生命力の消耗を最小にするように、整えることを意味すべきである」と残している。
看護こそ、人間を全人的に捉え、さらに生命力を保たせるべきものである。その担い手が看護師である。
看護師というと医師の補助的存在と捕らえられがちだが、実は患者に最初に接するのは看護師であることが少なくない。また前述したように、看護と代替医療は、「人間を全人的に捉える」という意味でほぼ一致している。医療現場では、看護師こそCAMの提供者であるべきといっても過言ではあるまい。
本書の中心は看護師によるボディワークである。ボディワークとは、特定の身体動作、または、手技によって、身体感覚に直接または間接的に働きかける治療法の総称である。ボディワークには、物理的な効果のみならず精神的な効果が見込まれる。最近、精神神経免疫学というカテゴリーが注目されているが、心が体に影響を与え、体も心に影響を与えることは周知の事実である。ボディワークにより、自己のありよう、すなわち自己への気づきが生まれ、その結果、自己と自然のつながりが実現され、自然治癒力が発現されることになる。ボディワークは、身体を入り口にしてスピリット、心、エネルギーと呼ばれている目に見えないものを含めた、自己に気づいていく手段といえよう。
本書は、ボディワークを中心に看護師にできる比較的安全なCAMを提示したハンドブックである。プライマリーケアにおいて、単に医師の補助的役割を果たすのではなく、CAMの実践者として積極的に取り組んでいただければ、モチベーションも上がり、ひいては看護師全体の底上げになるに違いないと編者は信ずる。そのために看護師を中心に、症例をあげてわかりやすくご執筆いただいた。ぜひ日常業務にご活用いただきたい。
『ナースのための補完代替療法の理解とケア』
目次:I.補完・代替療法の基礎知識/II.アロマセラピー/III.指圧・マッサージ/IV.ボディワーク(シン・インテグレーション、アレキサンダー・テクニーク、セラピューティック・タッチ)/V.リフレクソロジー/VI.リラクセーション/付録.臨床に生かす補完・代替療法ガイド
※本書はBook Clubで取り扱っています。
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