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2006/05/14

オルタナティブな町、英国トットネスからの便り8
教育のオルタナティブ スモールスクール/家庭教育

高田 彩子(在イギリス)

オルタナティブな町のオルタナティブな学校

写真
サウス デヴォン シュタイナースクール

 既存の学校教育に疑問を投げかけるかたちで起こった新教育運動(1920年代)では、英国の「サマーヒル」(サフォーク州に現存するフリースクール)がよく知られていますが、ここトットネスがオルタナティブな人々の集まる町として発展してきたのも、「ダーティントンホールスクール」というフリースクールの存在がひとつの背景となっているように思われます。

 この学校は1987年に閉校されたものの、その前年には同じ敷地内に「パークスクール」という、全校生徒50名のちいさな私設幼稚園・小学校が創立されました。この学校は、70年代後半から注目されたヒューマンスケールエデュケーション(人間的サイズの教育としてE.Fシューマッハーが提唱し、そのような私設学校は俗にスモールスクールと呼ばれている)という、これまたオルタナティブな学校教育運動を体現するものとして設立、現在まで続いています。

 同時期に、そこから数キロと離れていない場所に、「シュタイナースクール」が開校したのも、このエリアのオルタナティブスクールのニーズの高さを物語っています。

 

写真
パークスクールの5〜7歳児クラス

家庭教育という選択肢も...

 英国にスモールスクールが存在するのは、教育をめぐる法規に、「子どもが5人集まれば学校として教育省に登録できる」という条項があることによるといわれています。

 そこで、ある意識に目覚め、一念発起した人々は、自分の子供たちのために、私設学校(スモールスクール)を"手作り"してしまうという動きがある一方、家庭教育(ホームエデュケーション)という本格的な自給自足を選ぶ親たちもいます。

 その家庭教育は、英国教育法の中の「義務教育年齢に達した子どもには学校もしくは"その他の方法"で教育を施すべき」という一文に支えられているということがあるのです。"その他の方法"という意味の英文"アザワイズ"をとって「エデュケーション・アザワイズ」という家庭教育支援団体が、それらの家庭に情報を提供し、ネットワークの拠点となるべく77年から活動しています。

 私の知る家庭教育を実践する親たちは、一部の教科に家庭教師(家庭教育児を専門とする)をつけ、その他は両親が分担したり、他の親と協力し合ったりといった方法をとっていました。とはいってもこれを続けるのは、高等教育に影響を与えにくい、小学校高学年の年齢までといったケースが多いようにみうけられました。ある年齢に達すると、子供たちが集団社会での社交を求めたり、進学によるメリットを重視し始めるということもあって、一般校に編入させることがよくあります。

 

一般公立校にもオルタナティブの影響

写真
古いお屋敷だった
シュタイナースクールの校舎

 このように教育の選択肢には事欠かない土地柄ですが、オルタナティブな学校から一般公立校へ移る子どもやその逆のケースなど、異文化間の行き来?も盛んなようです。

 最近では、増え続けるオルタナティブな子どもたちが、ごく普通の学校にも広がってきているようにみえます。そのためかどうか、近くの公立中学校では制服も廃止され、小学校の給食ではベジタリアンメニューが工夫されるといった影響もでてきました。

 トットネスの街中にある公立小学校に通うわが娘(9歳)のクラスメイトには、コンピューターゲームを持っている子どもは少なく、かわりに「めいそう〜」といって目を閉じてあぐらをかいておどける少年の姿をみたことがあり、そうした雰囲気のひとつの現われを見るようでした。

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