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オーストラリア代替医療事情(2)
アボリジニの妙薬エミューオイル
小川 京子(在メルボルン)
オーストラリアは他の大陸から隔絶された環境にあったため、特有の動植物が生存していることで知られていますが、今回はオーストラリアの先住民族アボリジニが医薬品として使用していたエミューオイルについてご紹介したいと思います。
![]() ![]() 今回の記事の原文を提供してくださったEMUOILのオーナー、ニール・ダンカンさんのファームとエミュー |
エミューオイルは薬局でもコミュニティのフリーマーケットでもよく見かけ、観光客のために空港でも売っています。友人は腱鞘炎で医者にかかった時、医者にエミューオイルを勧められたと言っています。また、エミューオイルを公的に使用しているフットボールチームがあるとも聞きました。わが家ではやけどから肩こり、腰痛、外反母趾まで、何かトラブルがあると「Put emu oil on!」が合言葉になっています。
以下は、Marketing Education division for members of fthe Emu Farmers Federation of Australiaによって編集された『エミュー:医薬成分の内訳 THE EMU −A BREAKDOWN OF ITS MEDICINAL PROPERTIES−』(※丹野彩香訳)です。
エミュー:医薬成分の内訳
背景
エミューオイルの起源はアボリジニがエミューの脂肪を利用したことにさかのぼると言われています。アボリジニはエミューの皮を木につるし、オイルを搾取しました。さらに、別の方法としてエミューの皮で病人を覆い、日光にさらすことで、融解したエミューのオイルを皮膚に浸透させました。初期の開拓者は自分達に、動物に、そして乗馬の道具に使用することによって、エミューオイルの効果を確証しました。
アボリジニはエミューオイルの体脂肪には以下のような偉大な医薬効果にがあるとしました。
- * 皮膚のトラブルの治療
- * 皮膚の保護と日焼け止め
- * 火傷の治療と塗布薬
- * 関節炎の治療と塗布薬
- * 皮膚のモイスチャライザー
- * 傷口を上皮で覆うこと - 傷跡をうすくする、術後や裂傷の腫れをひかせる
エミューは多くの科学者に非現実的な鳥だと思われています。エミューは水を好み、20ポンド(約9キログラム)ほどの脂肪があり、摂氏100度以上の気温の中、岩だらけの奥地に住んでいます。エミューの成鳥の外的ショックや外傷からの回復力は、自然界でも他に類を見ないほど高いのです。
エミューオイルの治療成分と美容成分
エミューオイルは以下のような有効成分を含んでいます。
- —ビタミンA−坑酸化作用、治癒効果
- —ビタミンE−すでに知られている皮膚の再生作用
- —テルピンー防腐作用
- —サポニンー保湿効果
●オレイン酸−下記参考資料(1)
| 特 徴 | 効 用 |
| 皮膚細胞の再生と保護 | 局部に坑炎症効果をもたらすだけではなく、局部への鎮痛効果が長時間持続する。 |
| 生理活性物質を皮膚の層を通し筋組織まで浸透させる役割 | 以前に内用薬を服用していたことがなければ、局部治療のために促進薬やその他の医薬品と混合して塗布することが可能。(しばしば副作用を伴う) エミューオイル中のオレイン酸の浸透性により、モイスチャライザー、バーム(香膏 balm)、クリームの持続期間や有効性が大きく進歩した。 |
●コメド(毛穴のつまり)−同(2)
| 特 徴 | 効 用 |
| 他のオイルとは違い、エミューオイルは肌の毛穴をつまらせたり、にきびの原因になるようなことはない。 | 軟化薬を皮膚の表面に浸透させ、多大な効果をもたらす、より効果的な皮膚の治療。べたべた感も残さない。美容業界への恩恵。同様に皮膚のバリアを通過することのできないウォーターベースのクリームよりも効果的。 |
●脂肪酸分析/心臓病や関節炎への影響−(3)
エミューの酸の70%は不飽和で、30%以下は多価不飽和脂肪酸で残りは一価不飽和脂肪酸である。エミューオイルは以下のような健康増進と成長促進に必要な必須脂肪酸(体内では作ることのできない酸)を含んでいる。
| 特 徴 | 効 用 |
| オレイン酸— 一番多くを占めている高位脂肪酸(効用は既出) | これらの研究結果によると、心臓に良い食物と一致しており、心血管の病気に有益な効果をもたらすことがわかる。 |
| オメガ6脂肪酸— 強力な物質プロスタグランジンの構成成分。病気によって起こりうる体内でのプロスタグランジンの不均衡を防ぐために不可欠。 | 関節炎の影響を抑制して緩和する。 |
| オメガ3脂肪酸—もう一つの重要な酸で、通常、魚油に含まれている。オメガ3はEPAとDHEを含む。 | EPAとDHEも重要な役割を果たし、心臓病に効果がある。 |
| リノレン酸—エミューオイルの中に多量に含まれている。筋肉痛や関節炎を緩和することで知られおり、坑炎症作用もある。 | エミューオイル中のリノレン酸は痛みと関節の炎症(リュウマチや骨粗しょう症)を激減させる。 |
●細菌実験−(4)
| 特 徴 | 効 用 |
| エミューオイルに対して、以下の細菌を用いた培養実験が行われた。その結果、細菌の増殖はおろか、その存在すら確認されなかった。〈嫌気性菌、真菌、サルモネラ菌、赤痢菌、ブドウ球菌、溶血連鎖球菌、大腸菌〉 エミューオイルは細菌の増殖を促進しないと結論づけられる。 |
その品質は極めて高く、現在クリーム、化粧品そして食品に使用されている化学品ベースの保存料や安定剤に匹敵する効果があり、考案中またはすでに市場に出回っている商品に幅広く応用することができる。 例:食用の水添植物油や美容業界のリポソーム |
●品質保持力−(5)
| 特 徴 | 効 用 |
| エミューオイルは室温で安定している。簡単に酸化しない。2年間保存されたものの質も悪化していなかった。 | 天然の安定剤と保存料として将来性がある。 |
| さらに、エミューオイルは普通の動物性油の定義にはあてはまらない。どちらかというと、種子油と同様の特徴を持っている。 |
●上皮で覆われた傷−(6)
| 特 徴 | 効 用 |
| エミューオイルは傷跡をめだたなくし、坑炎症作用もある。 | 炎症を抑え、傷跡が残るのを防ぎ、痛みを緩和することによって、手術や火傷からの回復を促進する。 |
| エミューオイルは無菌なので、皮膚の開いた部分にも使える。 | 湿疹の炎症やケロイドの傷跡を抑え、移植皮膚にも利点をもたらす。 |
●育毛−(7)
マウスにカラヤという精製したエミューオイルを用いた実験で以下のことが明らかになった。
| 特 徴 | 効 用 |
| DNA合成に20%の増加が見られた。 毛髪と皮膚の成長を刺激し、毛根がさらに健康になった。 |
育毛促進。 |
●皮膚のモイスチャライザー−(8)
初期の実験で、エミューオイルには不飽和脂肪酸C-16とC-18の割合や粗オレイン酸C-18の立体科学に基づき、注目すべき高い保湿効果があることがわかる。
| 特 徴 | 効 用 |
| 皮膚の上層が水分をとどめておくよう促進し、表皮に浸透させ、真皮の厚みを増やす表皮稜を刺激することができる。 | 乾いて荒れた皮膚をなめらかで健康な状態に変える。 |
●乳化剤−(9)
| 特 徴 | 効 用 |
| エミューオイルは優れた乳化作用を持ち、2つの物質を混合し安定した状態に保つことができる。 | 化粧品やクリームなど多くのもの適用できる。多くの薬剤と化合させ、治療法を改良することができる。例—痛み止めのアスピリン |
参考資料
(1) オレイン酸 based on research by Dr Margaret Craig-Schmidt Associative Professor of Department of Nutrition and Food Science at Auburn University Alabama USA.
(2) コメド Dermatology adepartment, aoccupational Dermatology alaboratory at the University of Texas Medical School at Houston in 1993.
(3) 脂肪酸分析/心臓病や関節炎への影響 (1)のDr Margaret Craig-Schmidt、Dr Michael Wellesley Whitehouse PhD in Chemistry University of Oxford and MP Ghosh for article Evaluation of Emu Oils for Anti-inflammatory Activities.
(4) 細菌実験 Karen Davis (medcal technologist and iochemist) researched for Outback Emuzing Ranch in British Columbia in Canada, 1995 from Internet; //www.ark.com/-emuzing/emuoil.html
(5) 品質保持力 Ms Chris Burke of Epicure Products Markeging from World Emu Conference Programme, 1996 pp 24-25.
(6) 上皮で覆われた傷
(7) 育毛 a clinical study by Michael Holick, MD, PhD, Professwor of Medicine, Physiology, and Dermatology at Boston University School of Medicine.
(8) 皮膚のモイスチャライザー Study by Dr Alexander Zemtsov Editor of Skin Research and Technology for Emu Today and Tomorrow, vol5 No1. By Nelson, Heide and Ardell, 1996.
(9) 乳化剤 前出 Dr A Zemtsov
※丹野彩香:インドのボンベイアメリカンスクール卒業後、オーストラリアのメルボルン大学文学部心理学科卒、オーストラリアRMIT大学翻訳、通訳コース終了。
おがわ・きょうこ Ogawa Kyoko
1993年よりオーストラリア、メルボルン在住。人間が生きていくことについての断片的な知識や知恵のあれこれが、ゆっくりとひとつにつながっていくのを今楽しんでいるところ。
◆小川さんがかかわっているサイト
Japan World Music http://www.japanworldmusic.com/jindex.htm
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代替医療という世界
<spirituality>ということばをめぐって
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